下肢静脈瘤外来の開設について

第2血管外科部長 中島 隆之

本年2月から下肢静脈瘤外来を開設しました。多くの患者さんは、以前から下肢の血管の蛇行や拡張に気付いていますがはっきりとした症状はなく、また、どこの病院を受診したらよいかわからないために静脈瘤を放置しています。確かに静脈瘤は症状が軽く、重症になっても致命的な合併症はほとんどない病気です。しかし、夕方になると下腿から足部に出現するだるい感じやむくみが静脈瘤の症状であるとわかっている患者さんは少ないのが実情です。静脈瘤外来の開設に伴い当院のホームページにも案内を掲載し、「静脈瘤」「盛岡」をキーワードにネット検索すると当院のサイトが紹介されるようになりました。静脈瘤を治療することによりこれらの症状から解放されるということを静脈瘤外来や当院のホームページを通じて啓発できれば嬉しく思います。
さて、静脈瘤診療に関連した新しい検査機器が5月から検査室に入りましたので紹介します。それは、空気容積脈波測定器Air plethysmography(以下APG)です。
これは深部静脈や表在静脈の逆流の程度や静脈環流量を定量的に評価します。下腿に巻いたカフの中の空気の容積変化を測定する器械であり簡単に言うと、立った時の下腿の膨らみ具合を調べます。測定後にはVFI (静脈充満インデックス)、EF (駆出率)、OF(流出率)などのパラメーターが算出されます。VFIの正常値は、2 mL/sec以下で静脈逆流の指標です。EFの正常値は、40%以上で筋ポンプ作用の指標です。OFの正常値は、35%以上で静脈環流の指標です。静脈瘤の診療には従来は血管エコーや静脈造影を施行していましたが、これらの検査では静脈の形態や逆流の有無はわかりましたが逆流の程度はわかりませんでした。APGにより算出されるVFIにより静脈逆流を定量的に評価化できますので静脈瘤のスクリーニングに有用であり、また経過観察の際の病状変化も容易となります。   
一方、下肢腫脹のある患者さんに対してはOF値により腫脹の原因がリンパ浮腫なのか深部静脈血栓症なのかを鑑別するのに役立ちます。造影検査のような侵襲はなく下腿にカフを巻くだけで測定できますので非侵襲的です。

2012年6月より心臓血管外科の外来にて診察を行います。受付時間は、月曜・火曜の午前(8:30〜11:40)、金曜の午前(8:30〜11:40)と午後(13:30〜16:30)です。

※2012年5月より、下肢静脈瘤へのレーザー治療を開始しました。



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