リハビリテーション科におけるHAL単関節タイプの紹介

リハビリテーション科 理学療法士 中田 勇磨 

近年、ロボットの開発に関る産業が注目されており、これは、リハビリテーション分野においても例外ではなく、ロボットを使用したリハビリテーション技術の開発が日々進められております。
当科においても、昨年の12月からHAL(hybrid assistive limb)単関節タイプ(HAL-SJ)を導入し、新たなリハビリテーションツールとして臨床での使用を開始しております。
現在、このようなリハビリテーション治療用ロボットを導入している施設は全国的に見てもそれほど多くはなく、HAL-SJについての導入は当科が東北初の施設となります。

HAL-SJを使用した治療目的は適切な身体運動の再学習にあります。
人間の身体運動の基本的なメカニズムは、まず、脳から「こう動きたい」という指令が脊髄運動神経を通り筋肉へと伝達され、その指令を受けた筋肉が伸縮することで関節が動くという一連のプロセスで達成されています。

しかし、運動は身体が動いてそれで終わりというわけではなく、その実際の運動指令を元に正しく運動が行われたかどうかを知らせるための「感覚」が脊髄感覚神経を経由して脳に戻ってきます。
これを「感覚フィードバック」と呼びます。
脳卒中や脊髄損傷に代表される神経の病変をきたしてしまうと、この「運動指令」に対しての「感覚フィードバック」がうまく戻ってこないこと、あるいは出された指令と結果の感覚がズレてしまうことが起こります。
これが、身体運動がうまく行えなくなる1つの原因として考えられています。

HAL-SJは、この脳からの運動指令を皮膚表面の電極から読み取り、関節の運動をモーターを通して補助することで、運動指令に対する適切な「感覚フィードバック」を手助けすることが出来る装置です。

実際の治療では肘関節と膝関節が対象となります。
治療後には「足が軽く動かせる」や「どこを動かせばいいのかが分かる」等、改善効果を示す感想が多数聞かれております。

現在、HAL-SJを臨床導入し3カ月が経過しようとしておりますが、身体機能回復の新たなツールとしての期待とその効果を実感しております。 
今後はHAL-SJを使用した治療効果の証明(臨床研究)を行いつつ、また、同時に適応疾患を拡大していける可能性も模索しながら、多くの病で苦しまれている患者さんを救うための新たな手段として運用していけるよう取り組んで参ります。




このページの先頭へ