「友愛病院と緩和医療」

外科 藤井 祐次

先日、小暮副理事長と今野総師長と御一緒して、日本で一番古い歴史をもつホスピス病棟を見学してきました。

民間ですが地域の中核をなす大病院の中庭にひっそりと27棟、医師4名、看護師26名、充実したボランティアにも支えられています。

個室料も無料でまさに患者さんに優しい診療、看護が想像できます。

しかし、残念ながら遠くから来院してもベットがなかなか空かないため結局は一般病床で亡くなってしまう患者さんも多数いるとのことです。

一般病床にいる末期の患者さんには、緩和ケアチームが病棟を超えて出動し、心と体の痛みを緩和してくれるとのことです。

さて私も友愛病院に就職して以来はや6年以上たってしまいました。

末端の立場から友愛病院を眺めてみると、当院は一般病床、回復期リハビリ病棟、身体障害者病棟、療養型病床を備え、また手術件数は年間1000件程度、県内の民間病院としては決して小さくない病院です。

しかし,国の理想のない場当たり的方針に振り回されながら経営努力をしているうちにいつの間にか大きく成長してしまったという印象を持ちます。

もちろん個々でユニークな診療をしてきた先生方や献身的な仕事をしてきた職員集団に恵まれていたこともあるでしょう。

しかし、別な見方をすると、この土地に友愛病院のような機能を有した病院が必要とされていたために成長してきたともいえます。

盛岡市も病院の機能別化が進んでいますが、友愛病院はまだ、検診、診断、治療、療養そして終末期医療までを担うことができています。

とくに近年、高齢化の進行、急性期病院からの癌難民の増加などで終末期医療の比重が増えてきています。

この現状を踏まえて、数年前から看護部に招かれて緩和医療の勉強会を催してきました。自分で勉強しながら作ったスライドも年々充実してきました。

今年度は、友愛病院と緩和医療の必要性、心の痛みの緩和、身体の痛みの緩和の3回シリーズで開催してみました。

興味を示してくれる看護師さんも少しづつ増えてきており、草の根から緩和医療チームが出来上がりつつあります。

通常は、top-down方式で医療がなされることが常ですが、low-upで発生してくる医療や看護を経営陣が支えていくことが民間病院の活力であり、友愛病院が生き残っていく術なのでしょう。

思いのある人が集まり、それぞれの知恵と情熱で緩和医療チームが結成、運営され、この地域の人々に求められる緩和医療を誠実に行うことができれば、それが友愛病院の最高の緩和医療です。

医療状勢が厳しくても、最先端の医療はできなくても、良い医療、優しい看護を常に志していたいものです。



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