私の趣味は料理である。「男たるもの台所に立つものではない」という人も多いと思うが、我が家では、日曜日はよく『パパ料理の日』として、私はよく自分で料理を作り家族に御馳走する。料理もそれなりに凝って作ると、プラモデルや模型を作るが如く、それは楽しいものである。
私の料理には信念がある。それは食材にこだわることと、美味しいものは美味しいうちに食べるということである。
料理はまず食材を選ぶことから始まるというが、我が家ではよく川徳デパートの地下に買いに行く。川徳の地下は多少値が張るが、大抵の食材や調味料(かなり珍しいものや本格的なものもある)が揃っており、それを見るだけでも楽しいものである。
そこで私のレシピの一部を紹介しよう。冬場によく作るのは鍋物。鍋奉行は我が家ではいつも私である。特におすすめしたいのはニンニク常夜鍋である。実に簡単で、毎日食べても飽きないことからこの名が付けられたようだが、その作り方を紹介しよう。昆布でだしをとった湯にニンニクスライス(青森県田子産)を入れ、しゃぶしゃぶ用豚肉(鹿児島県産黒豚)をしゃぶしゃぶ風にさっと湯がいてポン酢で食べる。豚肉のだしが出たら、今度はほうれん草をさっと湯がいて食べるが、ほうれん草のシャキシャキ感がたまらなく、本当に毎日食べても飽きない。
すき焼きもよく作るが、すき焼きというと、だし汁で肉を煮るというイメージで料理する家がほとんどであろう。でもこれは邪道であり、すき焼きはあくまで肉を焼く料理である。その作り方は、まずすき焼き鍋に牛脂で油をひき、牛肉(前沢牛だと脂肪分が多く、しつこいので山形県の米沢牛がよい)を焼いて少し色が変わった頃に砂糖を入れる。砂糖が焼ける香ばしい匂いがしたら酒とだし汁を入れ、さっと火が通ったら生卵につけて食べる。お肉を食べた後に牛肉のだしが出た鍋に春菊、豆腐、糸こん、ネギなどを入れて食べる。決してお肉と野菜を一緒に鍋に入れてはならない。
夏場になるとビールが美味しい季節だが、ビールに合う料理としてはイタリア料理をお勧めしたい。イタリア料理はフランス料理のように生クリームやバターを使ったくどい料理ではなく、日本料理のごとく、その素材のうまさを引き出す料理である。イタリア料理を上手く作るコツは、多少値段の高いオリーブオイルを使うことである。高いもの(エクストラバージンオイル)は少し緑色である。高いオリーブオイルを使えば、多少料理はへたくそでも美味しくできあがる。イタリア料理の基本は、まずニンニクをオリーブオイルでよく炒め香りを出すことであり、そこに新鮮な魚介類(新鮮なものに限る)を入れて炒めてから最後に塩、こしょう、カレー粉などで味を調えれば出来上がりである。これだけで最高のビールのつまみであり、冷たく冷やした白ワインがあればこの世の極楽である。これにパスタを加えればペスカトーレであり、魚介類を入れずにパスタと唐辛子(タカの爪)だけであればペペロンチーノである。
最近、テレビでも料理番組が多いが、名料理人とか料理の鉄人とか云われる人のほとんどが男であり、元来料理は男が得意とする分野のようである。男の料理には女の料理にはない大胆さと繊細さの両面があり、パンチの効いた力強い味となる。
私が仕事としている外科手術とも相通じるものがあるというのが私の持論だが、どちらもあるときには大胆に、あるときには繊細にとメリハリをつけることが重要である。しかし、家庭料理といわれる煮物や漬物などは、日本のお母さんの味を受け継いだ女房の料理には勝てるわけもなく、その味は子供達にも受け継いでやりたい。 |