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血清K(カリウム)の経時的変化の検討

検査室

   K(カリウム)は神経や筋肉の興奮伝達に関与している重要な物質であります。
血球中には血清の約20倍ものKが存在しているために、採血後、全血で放置するとK値は大きく変動します。
K値の変動に影響を及ぼす作用としては、
@拡散・・・濃度の高い血球から低い血清へKが流出すること。
A能動輸送・・濃度に逆らってKが血球内に移動すること。
B解糖・・・糖を分解して能動輸送のエネルギーを産出する。
があります。
これら3つの作用と保存状態や保存温度が血清Kに与える影響をみるために次のような実験を行いました。
血液を全血のままと血清分離したものを、それぞれ5℃、20℃、25℃、30℃に保存して、採血直後から2・5・12・24時間後の血清K値を測定し、経時的な変化を検討しました。
<結果>
血清を分離して保存した検体は24時間後までほとんど変化がなかった
5℃でK値は激しく上昇し、24時間後には約3倍にもなった。これは低温のため能動輸送が抑えられ拡散がどんどん起きたためと思われる。
20℃では穏やかな上昇傾向がみられた。
25℃では5時間後位まではあまり大きな変化はなかったが その後大きく変動した。
30℃では12時間後までは能動輸送のため減少し、その後糖の消費に伴い拡散現象が起こることにより急激に上昇しかと考えられる。
12時間後を比べてみると採血直後4.2だったのが20℃では4.8へ上昇し5℃では3.9へと減少した。たった5℃違うだけで0.9もの差が生じている。

これはあくまでも健常人の検体であり、薬を飲んでいる患者さんなどではさらに様々な変化の要因がプラスされると思われます。
 今回の実験であらためて分かったことは、血液をそのまま保存しておくと成分の変性・失活・分解・濃縮などの影響を受け、検査データの信頼性が薄れるという事です。
血液を保存する場合はやはり速やかに血清分離すべきであると思います。
今回は自分たちの日頃の仕事を見つめるいい機会になりました。
これらのことに留意して検体の取り扱いに細心の注意を払うと共に、これからもより速くて正確な検査業務に努めたいと思います。
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