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2月19日(水)院内研究発表会発表内容の紹介
EBNに基づく病棟での口腔ケアの展開-
発表者、西1F病棟:
中小路真由美、熊谷美華、伊藤静江、佐々木佳子、皆川めぐみ、清水愛子
1.はじめに
近年、口腔ケアについて「清潔や口腔内の局所的感染防止だけでなく、全身的な重症感染症の予防など治療医学的意義が認識されている」といわれている。
当病棟では、全患者数60名のうち非経口摂取患者さん27名が、口腔ケアの全面介助を必要としています。
多くは持続的に唾液分泌量が少なく、自浄作用が低下しているために口腔内乾燥や舌苔、口臭など口腔内にトラブルを抱えています。
今まで1日1回、イソジンガーグル含嗽液に浸したガーゼを用いて口腔内清拭を行っていました。 しかしイソジンガーグル含嗽液は殺菌消毒効果に優れているが、持続効果が短く洗浄効果に乏しいという報告があり、文献検索をしていくなかで、より洗浄効果を高め口腔内乾燥を改善する含嗽液として、私たちは重曹水に着目しました。
個別性のある口腔ケアを目指し、病棟での口腔ケアに取り組んだ結果をここに報告します。
2.研究目的
これまでの画一的な口腔ケアを見直し、アセスメント表を作成・評価することで患者さん個々の口腔内状況を把握すると共に、個別性のある口腔ケアを提供する。
3.研究方法
1)研究期間:平成14年11月8日〜平成15年2月18日
2)研究対象
全患者60名(気管切開患者8名、経鼻経管栄養患者17名、胃瘻チューブ患者10名、IVH挿入患者1名)のうち、表1のアセスメント表においてHigh
Point患者7名を対象としました。
(表1アセスメント表)
3)方法
@口腔ケア・アセスメント表を用いて現状把握する。
A問題点を明らかにしケアプランを作成する。B次の口腔ケアポイントに従い含嗽水と物品を選択する。
C2週間に1回口腔ケア・アセスメント表を用い評価する。
(表2対象患者表)
§口腔ケアポイント
1.歯のある人にはブラッシング後、スポンジブラシで清拭
2.歯のない人にはスポンジブラシまたはガーゼで清拭
3.舌苔のある人には、舌クリーナーを使用
4.開口障害がある人には開口器・バイドブロック口角鈎の使用
5.含嗽水選択方法
@舌苔・乾燥→2%重曹水
A口臭→2%重曹水+ハッカ油1〜2滴
4.結果
口腔ケア・アセスメント表の作成、活用により患者さんの口腔内に目を向け、状態を把握しポイントにそった個別性のあるケアを提供することができました。
1)口臭にハッカ油
研究開始時に口臭があったのは4/7名。
3名に緩徐ながら消失または改善が図れた。
2)舌苔に舌クリーナー
対象患者さんすべてがかかえる問題であり、6名に改善が図れた。
3)口腔内乾燥に2%重曹水
イソジンガーグル含嗽液を使用していた時点で、口腔内乾燥が過剰傾向または過剰に乾燥していた患者5名は、実施後乾燥状態が回避され、口腔内が唾液で湿潤する状態となりました。
以前から歯科受診していた患者は、歯科医よりケア後は口腔内状態が良好と評価を得ることができました。
口腔内環境と個々の状態の関連性が追求できたわけではありませんが、経鼻経管栄養のみの患者さんは口腔内乾燥、舌苔、口臭。経鼻経管栄養+気管切開の患者は舌苔。胃瘻チューブの患者さんは口腔内乾燥、舌苔、口臭と、それぞれ抱えるトラブルに特徴があることがわかりました
5.考察
口腔ケアは最も基本的なもので、看護援助の中で必要なものですが、清拭や排泄の介助が優先され後回しになってしまう傾向があります。
しかし文献検索していくなか、口腔ケアの目的は沢山あり、疾病の治療や看護をしていく上で、その重要性が注目されていることがわかりました。
今回、口腔ケアのアセスメント表を作成して活用を試み、個別の情報を得ることでスタッフ間で情報が共有でき、口腔ケアのポイントの作成・活用により個々の患者さんにあわせた口腔ケアの統一が得られました。
ケアのポイントとして、1日1回でも充分に時間をかけ、継続することで口腔内の汚染状況の改善が図られました。
イソジンガーグルに浸したガーゼで清拭するだけの現状を見直し、重曹水の効果に着目し、さらに補助具(舌クリーナー、スポンジブラシ)を使用することにより、一層効果が得られました。
しかし改善が著明でない患者さんについて評価を基にケアの再検討を試みましたが症状の改善は図ることができませんでした。
内的因子として口腔領域の廃用症候群(唾液腺の萎縮)になっていたことが関与していたと考えられ、また外的因子として開口障害があるため、開口器等を使用するケアが必要でしたが、勤務の忙しさを理由にケアが疎かになったり、看護師の技術の質にムラがあったため改善を図ることができなかったと考えられます。
今回の研究は症例が少ないために明確な基準としての提示は難しいと思われるが、口腔ケアの質の向上、口腔内トラブルの緩和が図れました。
今回対象とした患者さん以外にも、現在個別性のあるケアを病棟全体へと展開し始めています。
6.おわりに
文献を検索していく中で、口腔ケアにおける科学的根拠を見いだし、それに基づいて個別性のある口腔ケアが展開をすることができました。
しかし口腔内の状態は千差万別であることから、今回の研究によるケア方法に固執することなく研究を重ねていきたいと思います。
看護の基本となる口腔ケアの質の向上を図ることで看護全体の質を高めることができると考えられます。
日本医療機能評価機構第5領域「看護の適切な提供〈適切な看護活動の展開〉」において「看護ケアを提供する仕組みにおいて各人の役割と責任内容が明確になる」と掲げられていることから、コメディカルスタッフと連携をとり、口腔ケアチームの結成が望まれてくるのではないかと考えます。
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