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高病原性鳥インフルエンザ            感染対策部長 川名 林治

 昨年のSARSのアウトブレークがいったん終息し、各国ではSARSの監視や対応がたてられてきた。
ところが今年に入り、ベトナムでニワトリの鳥インフルエンザの流行が各地で起こり、危険視されていた。
人への感染、発症、死亡も報じられ、また東南アジアの各国、例えばタイ、韓国、中国、その他でもニワトリの鳥インフルエンザがニワトリ飼育場などで起こり、流行が連日のように報じられている。
 日本では、山口の養鶏場でニワトリの鳥インフルエンザの流行が起こり、これに全力を挙げての対応などが行われていた。
幸いにして、まだヒトの発症はみられないが、今後十分な警戒を要するものと思われる。
 インフルエンザのパンデミーとしては、1918年にスペインかぜの世界的な大流行が起こり、極めて多数の死亡者が出た。 
 日本でも同様の大流行が大正時代に起こった。その後、このウイルスはH1N1であると決定されている。
1957年にアジアかぜの大流行が起こり、ウイルスはH2N2と同定された。
1968年には香港かぜが発生し、H3N2ウイルスによるもので、変異しながら今日もこれが引き続いて流行している。
さらに1977年ソ連かぜが起こり、H1N1ウイルスで、これも変異しながら現在も発生している。
 たまたま1997年香港でニワトリの間に、鳥インフルエンザの大流行と共に人の感染もみられ、死亡者も出たことから再流行が注目されていた。
このウイルスはH5N1と同定された。
 その後この流行を契機として、鳥由来のインフルエンザが注目され、警戒されてきた。
 今回の場合、各国で莫大な数の鶏の罹患が報じられているが、一部人への感染もみられている。
 鳥型のインフルエンザは今のところ、主として感染は鳥の間であるが、人への感染防止のため、ニワトリの感染・発症がみられた養鶏場などでは、かわいそうなことにニワトリが屠殺、廃棄されている。これは、食品衛生や経済の面でも、大きな問題となっている。
 人から人への感染は、現在報告はないが、鳥インフルエンザウイルスが人への遺伝子の組み換えなど変異によって、スペインかぜのような、重症でしかも広範な流行が発生することも予測されている。 厚生労働省では臨床症状のみでインフルエンザの鑑別は不可能であるとして、インフルエンザの迅速診断などをすすめている。
万一の場合、保健所に届け出るとともに、一定のマニュアルに従って対応することが望まれている。
本ウイルスはノイラミナーゼ阻害剤などが有効と考えられている。早期診断、治療が大切である。
 流行国から、防護服、薬剤などの供与などが切望されている。
今後、従来のインフルエンザに加えて、H5N2の新型インフルエンザ、さらにSARSとの混合感染なども予想されている。
 本院では世界の情報に基づいて、万一に備えて適切な準備を進めたいものである。

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