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「白内障を主とする眼科手術を当病院でも行えるようにしたい」
これは当院にとって長年の念願でした。
その念願は平成十八年三月二十七日(月曜日)、午前十時、当院最初の白内障手術の執刀が開始されることによって達成されました。
白内障の原因はその大部分が老人性、すなわち加齢によるもので、高齢者人口が急速に増えている今の時代では、白内障手術が必要な人口も増加の一途をたどっています。
当院眼科もその例外ではなく、白内障手術によって視力の改善が期待される患者さんが多数通院されています。
近年の白内障手術は手技、機器、眼内レンズ、薬剤や周辺材料などが飛躍的に進歩しました。安全で確実な方法が確立されて、手術による侵襲や合併症が最小限に抑えられ、術後の安静が不要となり、視力改善度も格段に向上しました。
以前は「白内障があっても手術は視力がかなり悪くなってから」といわれてきました。
しかし近年は、視力がさほど悪くなくても仕事や生活にさしつかえる症状、たとえば、まぶしい、戸外で見えにくい、夜の運転がしにくい、老眼鏡を使っても手元が見えにくいなどの症状があり、その原因が白内障であれば、手術によって視力の改善とともにこのようなわずらわしい症状が解消されるので、以前よりも早めの手術が勧められるようになってきました。
通常、手術は点眼薬による麻酔で行い、眼科用手術顕微鏡下で3ミリ以下の切開創から超音波針を使って濁った水晶体を乳化吸引し、人工レンズ(眼内レンズ)を挿入します。これが基本手技ですが、各操作にはそれぞれ細かいバリエーションがあり、手術前の詳細な検査にもとづいて、施行する手技や眼内レンズの種類と度数が症例ごとに選択されます。
濁りの程度は両眼が同じことが多いので、当院では片方の目の手術を行ったあと、一週後に引き続いてもう片方の手術を行います。その間、約十日間の入院、あるいは片目ずつ一〜二日入院していただきますが、患者さんの希望によっては日帰りの手術も可能です。
手術開始の方針を病院当局に決定していただいてからは、院内各科の先生方ならびに岩手医大眼科のご理解とご支援を得て、眼科外来、手術室、病棟、薬剤部、事務局など各部署のスタッフの意欲あふれる推進力が実現に向けて結集しました。数多くのミーティング(写真1)や研修セミナー(写真2)を開き、外来と手術室スタッフの実地修練を入念に行なった上で二度のリハーサルを経て、三月二十七日に最初の二例の手術が円滑に行われました(写真3)。
その後、毎週月曜日に二〜五例の手術が順調に行われ、また今後の手術希望の予約も続いています。
今年の健康保険診療報酬の改定に際して、白内障手術は従来の「白内障超音波乳化吸引術+眼内レンズ挿入術」の用語に代わって今後は「水晶体再建術」という言葉を使うことになりました。
白内障手術には、中高年齢の方々の加齢によって低減した水晶体機能を「再建」して、質のよい視力で充実した明るい生活を送り続けていただこうとの願いが込められています。
当院もその願いを実現するお手伝いができるようになりました。
当院で眼科手術が始まったことをお知らせし、ここに至るまでの皆様の温かいご支援、ご協力に感謝いたします。なお、眼科手術についてのお問い合わせは、月曜または火曜日に眼科外来にお願いいたします。
【写真1】 【写真2】

看護部スタッフとのミーティング 白内障手術についての研修セミナー
【写真3】

当院1例目の白内障手術
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