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昨年暮れに病院機能評価機構から、待ちに待った認定の知らせが入りました。
認定は確実と予想していたので冷静に受け止められましたが、内心では胸をなで下ろした気分になり、そしてまた次は5年後だと身が引き締まる思いもしました。
機能評価受審のための準備委員会発足が2004年1月であり、実にその後3年が経過したということになります。
認定までの道のりを振り返り、機能評価受審の意義そして今後の当院の展望について私見を述べてみます。

*準備作業
受審までの準備期間は1年5ヶ月あまりでしたが、準備作業は組織編成について十分吟味しないままにスタートし、進行が多少ぎくしゃくしたことは否めません。
また職員間で受審に対する意識の温度差もあり、必ずしも全病院をあげてというムードではなかった時期があったことも反省点の一つです。
今だからこそ話せますが、機能評価受審のための事務局では終盤にさまざまな理由から受審を絶望視し、事務局自体がうつ病に陥る時期もありました。
この心境は当時の事務局メンバーでなければ実感できないものでした。
しかしメンバーはこの心境を分かち合った上でその後は気を取り直し、最後の1ヶ月、1週間の追い込みでは空前絶後の頑張り、粘り、結束、集中を発揮でき、これが病院全体に拡大して受審当日はそのムードのままで臨めたと言えます。
*病院機能評価の意義
病院機能評価認定の意義については否定的な意見も聞かれます。
私自身も「沢山の項目全てをクリアしなければならないのは、全ての科目において合格点をとらなければならない学校教育と同じで画一的であり、その病院の個性を損ねてしまいかねない」と準備の初期段階では思っておりました。
しかし、準備が進むにつれ、そして受審後にも機能評価の意味が次第に見えてきました。
以前は、よい病院とはと問われたら、医療レベルが高い、機器が整備され検査が充実している、接遇が行き届いている、内部的には経営が順調にいっている、などしか思い当たらなかったのですが、今ではそのイメージをつかめたと思っています。
前述の要素のほかに重要なものとして病院のヴィジョンやポリシーが明確で職員全体がそれに沿って努力していること、院内感染対策を含めた医療安全管理や個人情報保護に対する体制が確保されており、また多部署間での連絡や検討が行われていることなどがあげられます。
要するに現代の病院が求められている基本姿勢を示しているのであり、多少ハードルが高くともこれからの医療機関としてはクリアしなければならない内容なのでしょう。
また受審までのプロセスは職員間、特に複数の部署間の連携作業の連続でした。
その中でさまざまな葛藤もありましたが、これを乗り越えて一つの目標へ向かって結束を強めるよいチャンスでした。
当院は異なる部署間で活動する機会が比較的多いと思いますが、病院業務の重要事項を検討することは普段はないことです。
共通の目的意識を持って業務を遂行することこそが日常の病院業務の中で求められるのではないでしょうか。
先日、文藝春秋に掲載されていたある作家(元ソニーの常務)のソニーについて論評した文章を読んでいて、「燃える集団」、「内発的動機」という語句に目が止まりました。
ソニーが栄えていた時代には、アイディアが泉のように湧いてきて、困難な問題に直面しても誰も音をあげずに打ち破る「燃える集団」ができることがあり、このための最も重要なことは「内発的動機に基づいて行動している」ということなそうです。
この内発的動機というのはお金のためではない、出世のためでもない、競争のためでもない、自分の内側から湧き出る意欲に従って取り組むことと言っています。
今回の機能評価受審そして認定は、全ての職員にとってこの内発的動機に触れる体験であったと思います。行っている最中には自覚がなくてもいずれ気がつくことでしょう。
*今後の展望
600以上の項目をクリアしたわけですが、この中には当院の実情にそぐわないものや他の方法が好ましいと考えられる項目もあるように思います。
当院を発展させるための、あるいは特徴を明確にするための十分条件と必要条件とを区別し、当院独自のカラーを打ち出すために特に前者を優先的に取り扱うことが今後は求められます。
つまり全ての科目をクリアした後に当院の得意科目をさらに伸ばしていくということです。
当院の得意とすることは何なのか、今後伸ばせる部分はどこなのか、よく考えなければなりません。かんぽの宿の跡施設利用は夢を広げていくことですが、病院本体の内容にも夢が必要です。
受審の最後に行われた講評時の院長の「これが始まりである」というコメントを肝に銘じ、今がスタートであるという意識を職員全体で共有できたことが認定の最大の収穫であり、今後の展望を開く第一歩になるはずであると考えます。
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