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日本小児耳鼻咽喉科学会に参加して
                           耳鼻咽喉科 渡部 由紀子 
去る6月24日〜25日に仙台市で開催されました小児耳鼻咽喉科学会に参加して参りました。福島県立医大微生物学講座の錫谷達夫先生による“先天性サイトメガロウイルス感染と聴覚障害”というテーマでの特別講演がありました。
ウイルスによる聴覚障害の原因ウイルスとしては、古くから流行性耳下腺炎のムンプスウイルスがよく知られていますが、近年米国を中心としたグループの研究で先天性サイトメガロウイルス感染と聴覚障害の関わりが次第に明らかにされつつあるそうです。
日本でも錫谷先生のグループが大変精力的に研究をされ成果をあげつつあるということでした。
同グループは、日本人と韓国人特有の乾燥臍帯(へその緒)保存の習慣(米国人の研究者がこれを知り大変驚いたそうです)に着目し、これを集めてDNA解析を積み上げて先天性サイトメガロウイルス感染が高度聴覚障害の原因疾患として上位にランクされるものだということをつきとめたそうです。
また、3歳未満の小児に多い気道異物症例は減少傾向にあるものの、原因物質としてピーナッツがいちばん多いことは依然として変わっていないとのことです。
夜ピーナッツをおつまみにして親がビールを片手にほろ酔い気分に浸っていると、傍らで遊んでいた幼児が突然むせ込んで呼吸困難状態になることもある、というわけです。
また、7歳の子供で、ポテトチップスの袋を開けたときに切り離した袋の角片が気道異物として数週間存在していたという珍しい報告もありました。
また、全国の国立生育医療センターや小児医療センターなどの小児医療専門病院からの報告も多数出題されていました。
それらの報告を聞いておりますと、ふだんの耳鼻咽喉科診療の中での小児の診察とは全く異なり、さまざまな小児疾患における耳鼻咽喉科医の役割といった観点でものを考える形となりました。
“小児耳鼻咽喉科医”という‘指定医’設定の方向で学会が策定中であることも全くうなづけることと思いました。
いずれにしましても、日頃あまり遭遇しないような症例報告を多数耳にし、今後も十二分に注意を払って日常診療に努めねばと襟を正した気分になり帰宅の途につきました。
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